ネリネ(ダイヤモンドリリー)の育て方
ネリネはキラキラと輝いて見える花弁が人々を魅了する、ヒガンバナ科に属する球根植物です。
管理には、大きな鉢や大量の土を必要としないので、比較的省スペースで育てられるのも魅力です。
ここでは、ネリネの中でもダイヤモンドリリーと呼ばれているサルニエンシス系の育て方をご紹介します。
目次
ネリネの1年サイクル

土

用土は調整済みピートモス2:ベラボンプラミアム1:鹿沼土小粒1:バーミキュライト1をミックスしたものを使用しています。
鹿沼土、バーミキュライトは目の細かいふるいにかけ、みじんを取り除いておきます。
おすすめ!横山園芸さんオリジナル用土

横山園芸さんは、ダイヤモンドリリーにとてもこだわりを持っている生産農家さんです。
そんな横山園芸さんでは、ネリネとの相性を追求したオリジナルブレンドの土を販売しています。
ネリネ専用に配合されているので、ネリネに適した土をお探しの方はこちらの用土をおすすめいたします。
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植え付け

植え付ける深さは球根が半分~1/3が埋まる程度の浅植えにします。
ネリネは窮屈な環境で育てた方が、適度なストレスが加わって、生育や開花の調子が良くなります。
そのため他の植物のように根をいっぱい広げようと、大きな鉢を用意する必要はなく、少し小さいかな?と感じる3号鉢くらいが丁度いいサイズです。

株分けしたてで、まだまだ小さい球根は3号鉢にまとめて植え付けてもOK。(写真のポットは兼弥産業のEU-10cm)
植え替え

ネリネの植え替えは、植え付けてから3~4年に1度行います。
時期は6月7月ごろがおすすめ。
鉢が球根でいっぱいになったら、根を切らないよう丁寧に株分けし、再度植え直していきます。

上の写真のネリネを鉢から出すと、大小合わせて29個の球根に分球していました。
分球したての小さい球根は、無理に親株から分ける必要はありません。

こんな感じで、10cmポット3つに植え替えました。
次回はまた3年後以降に植え替える事になると思います。
土の更新

植え替えをしない球根は、土の更新をしていきます。
時期は植え替えと同じく、休眠に入ったタイミングで行います。
株元に撒いた肥料が休眠中に残らないメリットもあるので、土の更新はぜひオススメします。
肥料

肥料は10月頃、葉っぱか蕾が上がってきたタイミングで株元にパラパラと撒きます。
万が一、夏の休眠期に肥料が残るのを避けるため、土には混ぜ込まないよう与えます。
その後、真冬の厳寒期(1.2月)を除いて、肥料ごとの肥効期間に合わせて追肥します。
2週間に1回は、1000倍に希釈した液体肥料を水やり代わりに与えます。(1,2月は不要)
水やりについて

水やりは土の表面が乾いたら与えるようにしますが、ネリネは過湿を嫌い、乾燥には比較的強い植物なので、少し乾燥気味に管理するのがコツです。
休眠期の管理

ネリネは5月6月が近づくにつれ葉が黄変し、やがて地上部が完全に枯れて休眠に入ります。
休眠に入ったら、雨の当たらない風通しの良い場所で管理します。
水やりに関しては、いろんなサイトを見ていると、休眠期は一切断水することが大事と書かれていますが、ウチでは球根のサイズによって、2週間から1ヶ月に1回、朝か夕の比較的気温が低い時間帯に軽く潅水しています。
ダイヤモンドリリー育て方まとめ
9月
- 園芸店に球根が並び始めます。購入後は早めに植え付け。
10〜12月
- 花が咲く時期。
- 蕾や葉が出てきたら施肥を開始します。
1〜2月
- 厳寒期は肥料ストップ。
- 霜や5℃以下まで下がる寒さに注意して防寒対策。
3月
- 気温の上昇とともに生育が活発になります。
- 日中が15℃前後になれば肥料を再開。
4〜6月
- 球根を太らせるラストスパート。
- 水切れ注意、2000倍に薄めた液肥を水やり代わりに与えてもOK。
- 葉が枯れたら休眠へ。
必要ならこのタイミングで植え替えを行います。
7〜9月
- 休眠期、水やりは2週間~1ヶ月に1回程度。
- 雨の当たらない場所で管理。
- 9月下旬頃に休眠が明けます。
ポイント
- 花は1、2輪開花したら根元から切って花瓶で楽しむと翌年も咲きやすい。
- 葉が黄変したら見栄えは悪いけど取らずに残す。葉が枯れるにつれて、球根に栄養を戻しているので、カサカサに乾燥するまではそのままにしておく。
- 休眠が明けたことが分かる見た目の変化は特にないので、休眠明けは9月下旬頃を目安にします。
ネリネについて
ネリネは南アフリカを原産とする球根植物です。
その美しい花姿と、キラキラと光る花弁から別名「ダイヤモンドリリー」と呼ばれ、多くの人を魅了します。
ダイヤモンドリリーと言う呼称は、ある日本人が日本での普及を促進する目的で、ユリのような見た目とキラキラ光る花弁になぞらえて付けたと言われています。
ネリネにはサルニエンシス系、ボーデニー系、ウンデュラータ系などがありますが、『ダイヤモンドリリー』と呼ばれるのはサルニエンシス系です。
ダイヤモンドリリーを購入する際は、『ダイヤモンドリリー』や『キラキラ光る花弁』、『サルニエンシス系』といった表記があるものを選びましょう。
ネリネ(ダイヤモンドリリー)が輝く仕組み




サルニエンシス系のネリネ(ダイヤモンドリリー)がキラキラと輝く理由は、花弁の構造にあります。
花弁を拡大すると、肉眼では確認できないほど細かい粒が無数に敷き詰められていることがわかります。
この細かい粒に光が当たることで乱反射し、キラキラと輝いて見えるという仕組みです。
またダイヤモンドリリーの輝きを楽しむには、一方向からの固い光を順光で当てるのがベストです。
ネリネを育てる楽しみと見る喜び
ネリネ(ダイヤモンドリリー)は、キラキラ輝く美しい花を観賞するだけでなく、育てる楽しみもたくさんあります。
毎年、球根が丸々と肥大していく様子や、いつの間にか分球して子孫を残していく姿はネリネの生長を実感できます。
まだまだ自身が育つので精一杯だったネリネが、子孫を残せるようになったのを目にするのは感慨深いものです。
育てる過程と輝く花を愛でることが出来るのは、ネリネならではの楽しみです。
ネリネ観察日記
育てているネリネの状態を記録していきます。
植え替えの様子や開花時など、思い立った時に記録したものをお届けします。
鉢から引き抜いた状態

植え替えの際に鉢から引き抜いた状態のネリネです。鉢の形に沿ってビッシリと根が張っているのが見えます。
根は植物にとって最も重要な器官なので、これだけしっかりと根が張っているのを見ると、とても安心します。
約8年前に購入したネリネ(2024年5月時)

約8年前にホームセンターで購入したネリネ。
通常ホームセンターにはその年の開花見込み株が並びます。
ネリネの開花には約5~6年かかるので、そこから考えると15年近く生きた株と言うことになります。
購入時は周径が10センチほどでしたが、現在では17センチにまで成長しています。
子株も作り、立派に子孫を残すまでになりました。
この子株も分球し、新たな球根を増やしていくでしょう。
花の時期ではありませんが、球根の成長を見守るだけでも楽しみがあります。
一部の球根は一年中葉を茂らせており、店舗の横で育てていますので、帰り際にでも見ていってください。
ネリネが届きました

新たにネリネを4球購入しました。
まずまずの大きさです。
9月23日


猛暑が続いていたので遅れましたが、ネリネを外に出しました。
今現在葉が茂っているものは、1年中葉が残っていたものです。
(おそらくダイヤモンドリリーじゃない)
10月6日

葉が上がってきたので、順次肥料を与えていきます。
10/18(金)

今年第一号の、ネリネの花芽が上がってきました。
11月4日

もうすぐ今年最初のネリネが開花しそうです。
花弁の裏ながら、すでにネリネ最大の魅力である、輝く花弁が伺えます。
11月6日(水)



今年最初のネリネが開花しました。
濃い赤色で、光にかざすとよく光っていました。

真っ白のネリネも開花しました。
ピンクやレッドに比べ光沢を視認しにくい色ですが、その分上品さを強く感じられます。
11月18日

まだまだたくさん上がってきます。

途中まで上がってから一向に育たなくなったネリネ。
触ってみたら茎から枯れてきていたので、処分しました。
原因が分からないので不安が残ります。
貴重な紫系のネリネだったので、とても残念です。


これはネリネではありませんが、ベラドンナリリーとネリネボーデニーの交配種「アマリネ」です。
ネリネよりも圧倒的に球根が大きく、その分根の生長も激しいようです。
アマリネも他のネリネと同じ時期に植え付けましたが、もはや球根を持っても鉢を浮かせてもびくともしません。
今年は花が上がってこなかったので、来年に期待です。
12月12日(木)

12月も中ごろに入りましたが、今時分に茎が伸びてまだ開花していないネリネがあります。
これらはおそらくサルニエンシス系(ダイヤモンドリリー)ではなく、ネリネ・ウンデュラータかネリネ・ボーデニーだと思われます。
どちらもダイリリのような豪華で鮮やかな花姿と言うよりは、原種っぽい上品な美しさがある印象です。
まだネリネについて全然詳しくない頃に何も知らずに買った球根だと思います。
軽く10年は経っているものもありますが、今でも元気に育っています。